調査契約の成立と取り消し

投稿日:2017年4月27日

トラブル例

【ご相談者】妻(39歳)

夫の浮気に悩んでいる時に、全国に支社がある大きそうで信頼できそうな探偵会社に電話をすると「詳しく事情を聞かないと見積できないから会いましょう」と言われたが、調査費用が高いと家計的に無理なので「おおよその費用だけでも良いから教えてください」と言ったら、「相談見積無料ですよ。 会ったからと言って契約しなくても良いのですよ」と言われたので、とりあえず相談だけでもしてみようと思い、会うことにしました。それで、探偵会社に伺おうとしたら、来客中だから近くのファミレスを指定されて行きました。

待合せ場所に行って、色々調査の事や費用の事を聞くと、高額な費用が掛かり、家計的に無理だった為、今回は見合わせますと言うと、離婚に発展したら大変な事になるから等、不安になる事ばかり言われた為、つい契約してしまいました。

帰宅後、調査費用の件で両親と相談している内に冷静さを取り戻すと共に、心配した両親が、他の探偵会社数件に電話で調査費用などを問い合わせた所、簡単に電話で見積もりをしてくれました。
その結果、契約した調査費用が他の探偵社の3倍以上で驚き、すぐに探偵会社に連絡して解約を伝えました。すると「もう事前調査をしているので解約はできない」「それでも解約するなら違約金(解約手数料)として、契約金の50%を戴きます」と言われた。当初の調査予定では3日後からの調査であり、今日会ってまだ数時間しか経っていないので、おかしいのではと言っても「調査をする前に事前調査(調査現場の下見)が必要だから、すでに調査員に事前調査をさせている」と言われ解約に応じてくれませんでした。

アドバイス

調査を依頼する上に於いて、探偵社選びで間違うと大変な事になります。相談者が探偵会社を選ぶ時に、全国ネットだから、会社が大きそうだから、芸能人が広告塔だから、女性相談員だから等で選ぶのは、こと探偵業に於いては大きな間違いです。

本社が地元福岡でない全国ネットの探偵会社は、福岡に事務所がない場合や調査を安い金額で下請けにさせる事が多々あります。
ですから探偵会社の本社が地元福岡にある事、探偵業法に基づく契約書面である事、最低3社から見積もりを取る事などが大事です。

(参照)
探偵社チェック

今回のご相談のケースの場合、まず契約の成立は、消費者契約法が最優先する事を伝えました。
消費者契約法では、相手方の不実の告知や断定的判断の提供、つまり今回のケースであれば「不安をあおっての契約」となり、契約を取消すことができます。
また、今回の契約した場所が探偵会社の事務所ではない事から、特定商取引法のクーリング・オフが適用され、違約金(解約手数料)を一切支払わずに解約できるのです。
ご相談者には、上記をアドバイスすると共に、一応 最寄りの消費者生活センターに相談する事をお勧めしました。

クーリングオフについて

契約を結ぼうとする探偵業者の会社・営業所以外での契約に、適応されます。
探偵業者と自宅やファミレスなどに於いての契約では、契約時の興奮状態から冷めた帰宅後や、家族・友人等と調査契約を改めて見直した結果、調査の解約・キャンセルが一定期間内であれば無条件で解約出来る特定商取引法のクーリング・オフ制度です。

また、クーリング・オフの書面交付がなされていなければ、例えクーリング・オフの期間8日を過ぎていても無条件で解約でき、全額返済して貰う権利があるのです。クーリング・オフの書面交付がなされていなければ有効期限の設定はありません。

消費者庁ホームページ参照