初めての調査依頼…探偵業法に準じた契約の手順について

投稿日:2026年5月28日

探偵業法「探偵業の業務の適正化に関する法律」に準じた契約手続きは、ご依頼者の権利を守り、同時に探偵業者が健全かつ合法的な調査活動を行うために極めて厳格に定められています。

探偵という職業には、個人のプライバシーに深く立ち入るという特殊な性質があるため、契約のプロセスにおいては一般的な商業取引以上に徹底した法令遵守と透明性が求められます。

 

探偵業者と依頼者が調査に関する合意を形成し、実際に調査が開始されるまでには、いくつかの超えなければならない重要なステップが存在します。

これらは単なる事務手続きではなく、すべてが探偵業法に基づく法的義務であり、万が一どれか一つでも欠ければ、その契約自体が違法なものとなり、探偵業者は行政処分や刑事罰の対象となります。

 

□重要事項の説明…契約手続きの最初の段階として行われる説明です。

これは契約を締結する前に必ず実施しなければならないと法律で定められている義務であり、探偵業者は国家公安委員会規則で定められた事項を記載した書面、いわゆる「重要事項説明書」を依頼者に交付しながら、口頭で詳細を説明しなければなりません。

 

この重要事項説明の目的は、依頼者が調査を依頼する前に、その契約の内容や料金、リスク、解約に関する規定などを十分に理解し、納得した上で判断できるようにすることにあります。

説明すべき内容には、探偵業者の商号や名称、代表者の氏名、主たる事務所の所在地、そして探偵業を営むために必須である届出証明書に記載されている番号などが含まれます。これにより、依頼者はその業者が都道府県の公安委員会に正式に届け出ている合法的な業者であることを確認できます。

 

さらに、重要事項説明書には、調査業務を遂行するにあたって講じる個人情報の保護に関する措置や、業務委託を行う場合の規定、提供される調査サービスの内容、そして最もトラブルになりやすい料金の総額や支払い時期、追加料金が発生する条件、さらには契約の解除(クーリングオフや中途解約など)に関する事項が詳細に記載されていなければなりません。

依頼者はこの説明を受けることで、後から予期せぬ高額な請求をされたり、ずさんな調査をされたりするリスクを未然に防ぐことができます。

 

□調査利用目的確認書…依頼者からの誓約書の取得 

重要事項の説明が完了し、依頼者がその内容に完全に同意すると、次は契約の締結に向けた本格的な手続きに移行します。

しかし、ここで探偵業法が定める極めて重要なステップが挟まれます。

それが「依頼者からの誓約書の取得」です。

 

探偵業法では、探偵業者は調査の結果が違法な行為や差別的な行為、その他の犯罪行為に利用される可能性があることを知った上で調査を行ってはならないと定めています。

例えば、行動や所在確認と称して、実際にはストーカー行為やDV(ドメスティック・バイオレンス)の被害者を探し出すための調査であった場合、探偵が加害者に加担することになってしまいます。

また、個人の出自や国籍などを調査する差別的調査への加担も固く禁じられています。

 

このような犯罪や人権侵害に調査結果が悪用されるのを防ぐため、探偵業者は依頼者に対し、調査目的が犯罪行為や違法な差別のためではない旨を誓約する書面、すなわち「誓約書」の提出を求めなければなりません。

この書面の取得は法律上の義務であり、依頼者がどれほど信頼できそうな人物であったとしても、あるいはどれほど急を要する案件であったとしても、誓約書の受領なしに次のステップへ進むことは許されません。

 

依頼者から誓約書が提出され、調査目的が正当なものであることが確認されて初めて、正式な「契約の締結」と「契約書面の交付」へと進みます。

 

□調査委任契約書の交付

探偵業法において・・・続きは「暮らしのトラブルQ&A 」で