アプリで出会った彼に独身と騙された…貞操権侵害と慰謝料相場
投稿日:2026年7月30日近年、マッチングアプリの普及に伴って「手軽な出会い」が増えた一方、それを悪用したトラブルが激増しています。
特に探偵事務所や法律事務所へ多く寄せられるのが、既婚男性が独身と偽って交際する「独身偽装」と、それに伴う「貞操権の侵害」の問題です。
貞操権の侵害は、単なる「交際中の浮気」とは異なり、嘘によって選択の自由を奪って関係を持った場合、法的な損害賠償の対象となります。
最近でも、婚活アプリで独身と偽って性的関係を持った男性に対し、裁判所が貞操権侵害を認めて数百万円規模の損害賠償を命じる判例が相次いで出されており、社会的な関心が高まっています。
アプリで出会い「独身偽装」…名古屋地裁は男性に121万円賠償命令
https://www.asahi.com/articles/ASV7J4WW5V7JOIPE024M.html
女性が「既婚者と知っていれば関係を持たなかった」として訴えた同裁判では、裁判所は男性の行動を悪質な「欺罔(ぎもう=騙し)行為」と認め、女性の性的自己決定権(貞操権)を侵害したとして121万円の慰謝料支払いを命じました。
□貞操権侵害が認められるケースとしては、
・婚活サイトや結婚相談所など結婚を前提とする場で知り合った
・善意無過失:被害者側が「既婚者だと見抜けない合理的な理由」があったか
・相手が交際に積極的で、交際関係の継続に積極的であった
・相手が独身であると騙す言動をしていた
・結婚の期待:具体的に将来を約束するなどして信頼させていたか
・相手との子を妊娠・中絶・出産した
などが挙げられますが、事前に弁護士にご相談されることをお勧めします。
□裁判例から読み解く「貞操権」とは、
貞操権とは、誰とどのような条件で性的関係を持つか、あるいは持たないかを自らの自由な意思で決定する「性的自己決定権」のことです。
「相手が独身であり、自分と誠実に向き合ってくれている」と信じて身体を重ねたにもかかわらず、相手が実は既婚者であり、意図的に嘘をついていた場合、被害者の性的自己決定権が踏みにじられたとみなされます。
これは民法709条の不法行為に該当し、慰謝料請求の対象となります。
近年の裁判例を見ると、裁判所が貞操権侵害を認める判断基準はより明確になってきています。
特に「独身限定」や「婚活目的」を掲げるアプリで既婚者が独身と偽っていた場合、裁判所は「相手が独身であると信じるのは当然であり、性行為の適切な判断機会を奪った」として、男性側の騙しの悪質性を高く評価する傾向にあります。
また、交際期間の長さや「両親に会わせる」「挙式しよう」といった具体的な将来の約束、もしくは婚約に準ずる言動があったかどうかによって、認められる慰謝料の額は変動します。
交際が数ヶ月程度であれば50万〜150万円前後、数年におよぶ長期交際や妊娠・出産が絡むケースでは200万〜300万円以上の慰謝料が認定されることも珍しくありません。
さらに、避妊の求めを無視した性行為や妊娠発覚後の音信不通といった不誠実な対応も、性的自己決定権の重い侵害として評価されます。
しかし、裁判や弁護士を通じた交渉で相手に言い逃れをさせないためには、「相手が既婚者である動かぬ事実」と「意図的に騙していた客観的証拠」が不可欠です。
それらを確保することこそが、探偵の最大の使命となります。
今回は、マッチングアプリで出会った男性との貞操権侵害トラブルにおける調査事例をご紹介します。
【相談者】C子さん(30代前半) 福岡市南区に住む会社員
相談にお越しになったのは、30代前半の会社員C子さんでした。
C子さんは会員登録時に独身確認の誓約がある大手婚活アプリで、30代後半の男性・D氏と出会いました。
D氏はプロフィールに「広告代理店勤務で一人暮らし」と記載しており、交際開始から1年半が経過していました。
D氏は日頃から「早く一緒になりたい」など結婚を臭わせるメッセージを頻繁に送っていたため、C子さんは彼を将来の夫として完全に信頼していました。
しかしながら、交際が長引くにつれて不審な点が目立つようになります。
D氏の自宅には「部屋が散らかっている」などと言い訳されて一度も上げてもらえず、土日のどちらかは必ずと言って良いほど「急な出張」や「接待ゴルフ」で終日連絡が取れなくなりました。
さらに、クリスマスなどのイベント当日の夜に電話をかけると不自然にすぐ切られ、折り返しの電話では背景の音が異様に静かになるという状態でした。
違和感と不信感で限界を迎えたC子さんは、D氏の身元を確認する為に当社探偵事務所へ駆け込んできたのです。
【調査結果】
婚活アプリやSNSでのトラブルでは、相手が不審に思ってアカウントやLINEを削除し、突然姿を消してしまう(いわゆる「飛ぶ」状態になる)リスクが極めて高くなります。
そのため、C子さんにはD氏との関係が悪化する前に、デートの機会を設定した上で、秘D氏の尾行の調査を開始しました。
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