離婚調停の家庭裁判所への申立て方法

夫婦関係調整(離婚)調停とは

離婚について当事者間で話合いをしてもまとまらない場合や、話合いができない場合には、家庭裁判所の調停手続を利用することができます。調停は、裁判のように裁判所が勝ち負けを決めるのではなく、調停委員会の助言を受けて,申立人と相手方がお互いに納得できる解決を目指す手続です。

申立先の裁判所は、相手方の住所地を管轄する家庭裁判所又は当事者双方が合意で定める家庭裁判所になります。
調停手続では、当事者双方から事情を聞き、離婚するかどうか、また、離婚することになった場合、未成年の子どもの親権者を誰にするか、親権者とならない親と子との面会交流をどうするか等、子どもの育て方に関わる事項、さらに子どもの養育費、婚姻中に築いた財産の分け方(財産分与)、年金分割、慰謝料等、財産に関する問題も一緒に話し合うことができます。

申立てに必要な費用

収入印紙 1,200円
郵便切手 80円×6枚、10円×6枚 合計540円分

申立てに必要な書類

申立書
(原本1部と写し1部の合計2部提出)
申立書は、写しを相手方に送付しますので、写しを1部添付。
相手方に住所を秘匿したい場合は、実家の住所等、既に知られている住所を記載。
事情説明書 事情説明書は、写しを相手方に送付することはありませんが、相手方の請求により見せることがあります。
子の事情説明書 未成年の子がいる場合に提出してください。
これも写しを相手方に送付することはしませんが、相手方の請求により見せることがあります。
進行に関する照会回答書 進行についての参考事項を記載するものです。これは相手方に見せることはありません。
夫婦の戸籍謄本
(全部事項証明書)
3か月以内に発行されたものを提出。
年金分割のための情報通知書 年金分割における按分割合(分割割合)に関する調停を求める場合に提出。
情報通知書の請求手続については、年金事務所(厚生年金の場合)又は各共済年金制度の窓口にお問い合わせください。

調停で必要となる資料の提出方法

調停では、必要に応じて、自分の主張を裏付ける資料等を提出してもらうことがあります。
資料の中には、双方が合意をする上で必要不可欠な資料があります(例えば、源泉徴収票,確定申告書など)。これらの資料については、その内容を事前に知った上で話し合いを行う方が、話し合いが充実し、また、双方が納得のいく合意ができることとなります。

子の養育費を求める場合

収入に関する資料 「源泉徴収票の写し」「給与明細書写し」「確定申告書写し」「所得証明書写し」等

財産分与を求める場合

夫婦の財産に関する資料 「不動産登記事項証明書」「固定資産評価証明書」「預金通帳写し」等

書類等を提出するときは、裁判所用のコピー1通を提出してください。ただし、上記の資料や裁判所から特に2部提出するよう指示された資料、相手方に交付したい書類を提出するときは、裁判所用及び相手方用としてコピー2通を提出してください。
なお、調停期日には必ず原本を持参して下さい。

提出する資料に、相手方にどうしても知られたくない情報で、家庭裁判所が見る必要がないと思われる部分(例えば、住所や勤務先の情報、扶養親族の名前等)がある場合には、知られたくない部分をマスキング(黒塗りする)して提出することができます。マスキングの方法は、資料のコピーにマジックなどで黒塗りして提出してください。
資料の原本には,絶対に手を加えないで下さい。秘匿に差し支えない範囲で残してください。

記録の閲覧・謄写について

提出された書類は、裁判所に記録として保管されますが、当事者は、記録の内容(双方から提出された資料を含む)を見たい場合には、記録の閲覧・謄写申請を行うことができます。申請があった場合には、調停の進行に妨げとなるような事情を考慮のうえ、裁判官が許可又は不許可の判断をします。許可された場合には、許可された部分の記録を見ることができます。

家事調停の進め方

調停を担当するのは、裁判官と調停委員で構成している調停委員会です。

調停委員会は、中立公平な立場から、一緒に考えたり、解決案を示したりして、紛争の解決を図ります。
なお、必要に応じて、家庭裁判所調査官が、調停期日に立ち会ったり、調停期日の間に未成年の子どもの監護に関する問題等について調査を行う場合もあります。